清水和音 ピアノ主義 第5回

 2014年から2018年にわたる清水和音のリサイタルシリーズ、ピアノ主義、第5回目はショパン、バラード全4曲、Op.37からOp.62のノクターン8曲によるショパン・プログラムである。

 前半はバラード第1番、Op.23とノクターンOp.37の2曲、バラード第2番、Op.38とノクターン、Op.48の2曲。後半はバラード第3番、Op.47とノクターン、Op.55の2曲、バラード第4番とノクターン、Op.62の2曲。

 バラードは各々の特性をしっかり掴み、音楽としても充実したまとまりを作っていた。第1番の物語性、第2番の哀歓に満ちた締めくくり、第3番の華麗さ、第4番の重量感。印象的だった。

 ノクターンも作品の性格をつかみ、じっくりと味わい深い世界を作り上げていた。清水の円熟ぶりが伝わる、素晴らしい出来栄えだった。アンコールにスクリャービン前奏曲、Op.37-3。これも心に残る。

 第6回はモーツァルト、ベートーヴェン、トビュッシー、ラヴェルを取り上げるという。これも楽しみである。