2011年から5年間にわたる新日本フィル首席指揮者を務めたダニエル・ハーディングによるコンサート、最後はマーラー、交響曲第8番「千人の交響曲」を取り上げた。(4日 サントリーホール)
この作品は賛歌「あらわれたまえ 創造の主よ 聖霊よ」(ラテン語)、ゲーテ「ファウスト」第2部、最終場面の2部分からなる。賛歌での壮麗さ、「ファウスト」の壮大さが聴きものだった。「ファウスト」の場合、シューマン「ファウストからの情景」第3部との比較研究が必要だろう。シューマンとマーラーの作曲上の視点、その共通点と相違点で研究が進んでいくことを期待したい。
栗友会合唱団、東京少年少女合唱隊が素晴らしい。エミリー・マギー、ユリアーネ・バンゼ、市原愛、加納悦子、中島郁子、ミヒャエル・ナジ、シェンヤンの歌唱も聴きものだった。ハーディングが終演後、盛大な拍手の中、スマートフォンにこの光景を収めていたことが印象的だった。
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