ギル・ローズ フォス 交響曲第1番 ト調

 アメリカを代表する作曲家で、指揮・ピアノにも優れ、レナード・バーンスタインとともに才人として人気を集め、バーンスタインの親友だったルーカス・フォス(1922-2009)は4曲の交響曲を残した。

 交響曲第1番は1944年の作品で、新古典主義に基づいたとはいえ、アメリカの大地を思わせる雄大な第1楽章に始まる。第2楽章、第3楽章、第4楽章もアメリカの雄大さ、生命力に満ち溢れている。

 ドイツ生まれのフォスがナチスを逃れて、フランスから新天地アメリカに渡ってから、満を期して交響曲に取り組んだ自信作である。初演は1945年、フリッツ・ライナー指揮ビッツバーグ交響楽団が行った。フォスはバーンスタインとともに指揮を師事している。

 指揮のギル・ローズはピッツバーグ出身、シンシナティ大学、カメギー・メロン大学に学び、学位・ディプロマを取得、ボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクトを創設、オデュッセイ・オペラ、ボストン・オペラの芸術監督を務めている。