1966年に開場50周年を迎えた国立劇場、歌舞伎公演は黒田家お家騒動を基にした「しらぬい譚」で、菊池家と菊池家に滅ぼされた大友家、海賊の計略によりお家存亡の危機に陥る。その先導役となった大友家の姫、若菜姫が蜘蛛の術を用いて復讐を果たしていく。菊池家は家臣鳥山豊後之助、秋作親子、秋作の乳母秋篠、小文吾の活躍でお家の危機を救う。
この上演では若菜姫を演ずる尾上菊之助の宙乗り、早変わりが見もので、妖術を用い、菊池家への復讐を進めるも術を破られ、最後は室町将軍、足利義輝が現れ、両家和解の内に幕となる。将軍義輝の娘、狛姫の入内を絡ませ、狛姫が猫の霊に取りつかれて苦しむ様も絡ませ、新春に相応しいスペクタクル満天の舞台となった。
尾上菊之助、尾上菊五郎、尾上松緑、中村時蔵、中村梅枝、片岡萬太郎などが新春に相応しい、素晴らしい演技でこの舞台を盛り上げた。河原崎権十郎、市川団蔵の好演も見逃せない。
この演目が歌舞伎座でも上演されてほしい。国立劇場の役割は、今まで埋もれていた歌舞伎復活上演、歌舞伎座での上演が稀な作品を取り上げることにある。これが開場50周年を迎えても連綿と続くだろう。国立劇場で上演された作品が1つでも多く歌舞伎座で上演されることを願いたい。
コメントをお書きください
admin (木曜日, 21 4月 2022 05:47)
1