ゲルハルト・オピッツとともに21世紀ドイツを代表する大御所、ペーター・レーゼルに師事、園田高広ピアノコンクール第3位、イタリア、パルマでのG・ガンドルフィ国際ピアノコンクール第2位入賞、郷里の秩父市でリサイタルを開催してきた高橋望が2015年に引き続き、J.S.バッハの大作、ゴールドベルク変奏曲、BWV.988によるリサイタルを開催した。
使用したピアノは2015年に引き続きヴィーンの名器、ベーゼンドルファーで、このピアノの長所を生かした演奏で歌心たっぷり、バッハの音楽の本質を組みつくした演奏で、味わい深かった。この作品によるリサイタルは、小林道夫が12月に行うチェンバロリサイタルも年末の風物詩として定着している。高橋も新春1月に行うことで、風物詩として定着させようとしているようである。高橋の場合、2013年からこの作品に取り組み、新たな発見を見出している。
この作品は、ピアノではグレン・グールドのイメージが大きいだろう。高橋の場合、あくまでもドイツの伝統に根差した正攻法による演奏で、なんのてらいも感じさせない。それがかえって、この作品本来の味わいを生み出している。音色も豊かで、表現も多彩だった。2015年、四谷区民センターでのリサイタルを聴いているが、今回はさらに深みが加わっていた。
今後、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスを取り上げたシリーズものも希望したい。2018年のゴールドベルク変奏曲リサイタルは1月20日、東京文化会館小ホールとなっている。次回はどうなるか。(ルーテル市ヶ谷センター)
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:52)
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