バッハ・コレギウム・ジャパンがベートーヴェン晩年の大作、ミサ・ソレムニス、Op.123に挑んだ。ミサ・ソレムニス作曲中のベートーヴェンの肖像画(シュテーラー作)は「これぞベートーヴェン」というほど有名であっても、コンサートなどで聴く機会が少ない。その意味でこのコンサートは貴重だった。(3日 東京オペラシティ コンサートホール)
ソプラノ、アン=ヘレン・モーエン、メゾ・ソプラノ ロクサーナ・コンスタンティネスク、テノール、ジェイムズ・ギルクイスト、バリトン、ベンジャミン・ベヴァンを迎え、「キリエ」の荘重な始まり、「グローリア」の闊達さ、「クレード」中の「クルツィフィヌス」はイエス受難が伝わって来た。「ベネディクトゥス」では寺神戸亮のソロが素晴らしい彩を添えていた。「アニュス・デイ」でのベヴァンの朗々としたソロは聴き応え十分、「ドナ・ノービス・パーチェム」では戦争の響きとの相克が見事だった。
鈴木雅明の素晴らしい指揮、真摯さがこのコンサートを見事にまとめた。18日、東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団ではベートーヴェン、交響曲第4番を取り上げる。楽しみである。
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