歌舞伎座3月公演、昼の部は「明君行状記」、「義経千本桜」より「渡海屋」、「大物浦」、「どんつく」の3本で、東西の花形たちが一堂に会し、素晴らしい舞台・演技を繰り広げた。
「明君行状記」は岡山藩主、池田光政と藩の重罪を犯した家臣、青地善左衛門が明君、光政の真意を知ろうとして命を懸けた思い、主君としての光政の人間性との鋭いやり取りを描いたもので、善左衛門を演じた坂東亀三郎の一途さ、光政を演じた中村梅玉の寛大さ、度量の大きさが素晴らしい。側近山内権左衛門を演じた市川団蔵、善左衛門の叔父、磯村甚太夫を演じた河原崎権十郎などもドラマを引き立てていた。
「渡海屋」、「大物浦」は片岡仁左衛門の知盛、中村梅玉の源義経、中村時蔵の典侍局がぶつかり合い、素晴らしい見せ場を作った。幼い安徳帝を演じた市川右近の素晴らしい初舞台も見ものであった。坂東弥十郎の弁慶が知盛への弔いとしてほら貝を吹きながら退場し、余韻溢れる締めくくりとなった。
「どんつく」は2015年2月22日に亡くなった坂東三津五郎3回忌に合わせ、坂東巳之助が見事な舞台を作り出し、ゆかりの役者たちが華を添え、昼の部の締めくくりとした。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:47)
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