ゴールデンウィーク恒例のラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン最終日、東京国際フォーラムAホールでラヴェル、ピアノ協奏曲、ボレロ、ベートーヴェン、ヴァイオリン協奏曲、Op.61、ショパン、ピアノ協奏曲第1番、Op.11、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、Op.22を聴いた。
まず、ラヴェル。萩原麻未をソリストに迎えたピアノ協奏曲はラヴェルの研ぎ澄まされた音楽の心髄を伝えた。ジュネーヴ国際コンクールで優勝、ショパンコンクールでは入賞まであと一歩だったとはいえ、素晴らしい音楽を聴かせた。パスカル・ロフェもフランスを代表する優れた指揮者で、国立ロワール管弦楽団も一級のオーケストラである。ボレロではフランスの香りを漂わせた。アンコールではコーダを演奏、手拍子も加わり、楽しいひと時だった。
ベートーヴェン。カナダの女性指揮者ディナ・ジルベール、シンフォニア・ヴァルヴィゾ、オリヴィエ・シャルリエのヴァイオリンが一体となって、聴き応え万点の演奏だった。ジルベールの統率力は見事で、今後注目されるべき存在となるだろう。
ショパン。ロシアのウラル・フィルハーモニー管弦楽団、ドミトリー・リスの指揮、今では巨匠の風格と言うべき存在になった小山実稚恵が素晴らしいショパンを聴かせた。アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズは、ピアノとオーケストラによる原曲版で、一聴の価値があった。小山がアンコールで、ショパン、ワルツ,Op.64
-1、「小犬」を演奏した。ショパンにはこの種の作品としてクラコヴィアク、Op.13、ポーランド民謡による大幻想曲、Op.14がある。ショパンがパリに移住した当初、こうした作品を作曲した背景には、パリの聴衆への配慮があったといえようか。
親子連れなど、様々な客層が見受けられ、CD・書籍販売もあった。この音楽祭が定着し、クラシック音楽の魅力が伝わったかとはいえ、楽章の間に拍手が入ったり、終わらないかのうちに入ったりは困る。こうした点を改善してほしい。
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