歌舞伎座6月公演、夜の部は「鎌倉三代記」から「絹川村閑居の場」、「曽我繍侠御所染」
「一本刀土俵入」の3本であった。
「鎌倉三代記」では中村雀右衛門の時姫が素晴らしかった。市川門之助のおくるも好演、何より尾上松也、松本幸四郎が傑出していた。
「曽我繍侠御所染」では片岡仁左衛門、市川左団次のつばぜり合い、中村雀右衛門が複雑な面持ちの皐月、中村米吉が身代わりになって殺される逢洲を見事に演じた。
「一本刀土俵入」は相撲取りになり損ねたとはいえ、世話になった恩人を助ける駒形与兵衛を松本幸四郎が見事に演じた。市川猿之助のお蔦、尾上松緑の辰三郎も光る。中村歌六の波一理儀十、尾上松也の堀下根吉、市川猿弥の弥八も華を添えた。松本幸四郎のような円熟した名優に相応しい舞台だった。
7月は市川海老蔵を中心とした布陣で、夜の部は「駄右衛門花御所異聞」が上演となる。小林真央夫人を喪った海老蔵がどのような思いで演ずるか。大いに期待したい。
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