バッハ・コレギウム・ジャパン、世俗カンタータシリーズは今回で完結となる。前半が管弦楽組曲第3番、BWV1068、カンタータBWV204「我満ち足れり」、後半がカンタータBWV30a「たのしきヴィータ―アウよ」であった。
管弦楽組曲第3番はコンサートの始まりに相応しい壮麗さが聴きものだった。「我満ち足れり」ではキャサリン・サンプソンの見事な歌唱が聴きものだった。宗教性、道徳性、哲学性を併せ持った内容で、バッハはレチタティーヴォ-アリア-アリオーソ-アリア形式でまとめ上げた名品であり、もっと演奏されてしかるべきだろう。
「たのしきヴィーターアウよ」はサンプソン、ロビン・ブレイズ、櫻田亮、ドミニク・ヴェルナーが見事な歌唱を聴かせた。その上、若松夏美、菅きよみ、三宮政満といったバッハ・コレギウム・ジャパンを支える名手たちが華を添えた。
市民階級から貴族となったヨハン・クリスティアン・フォン・ヘニッケがヴィーターアウの領主となったことへの祝典音楽としての壮麗さが見事だった。
後半のシーズンはマルティン・ルターの宗教改革を記念して、10月31日のルター・プロジェクトに始まり、2018年2月12日の鈴木優人によるヨハネ受難曲で締めくくりとなる。楽しみになって来た。
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