バッハ、ヴァーグナー、ブラームス、マーラーなどの研究で優れた著作を残し、日本ヴァーグナー協会理事長を務めた三宅幸夫氏が8月14日、71歳で亡くなった。
山形大学、慶応義塾大学で後進の指導に当たり、日本音楽学会会員でもあった。著作を見るとバッハ、ヴァーグナーが中心である。新潮社から出版したブラームスの評伝は文庫本ながら、大変優れた内容で、ブラームスの音楽の本質を突いた見事な内容である。日本ではブラームスの評伝が門馬直美のみの頃、この評伝が出たことは大きな意義があった。その後、西原稔のものが出ただけである。訳書は本田侑によるジョゼ・ブリュイールのもの、大田黒元雄によるカール・ガイリンガーのものがあった。
三宅のブラームス伝は、ヴァーグナーにも通じていたこともあり、この2人の大作曲家を知り抜いた人が到達した成果でもあろう。
71歳といえば、まだ余力がある年齢だけに惜しまれる。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:51)
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