歌舞伎座8月公演、納涼歌舞伎第1部は「刺青奇遇」、「玉兎」、「団子売」、第2部は「修善寺物語」、「歌舞伎座捕物帖」であった。
「刺青奇遇」は市川中車、中村七之助、市川染五郎の人情味溢れる演技が素晴らしい。市川猿弥、中村梅花、松本錦吾が色を添えた。「玉兎」は中村勘太郎のしっかりした踊り、「団子売」では市川猿之助、中村勘九郎のユーモラスな味わいが見事であった。
「修善寺物語」は坂東弥十郎の風格ある演技、市川猿之助、市川新吾の桂、楓の姉妹の性格付けが光る。坂東巳之助、中村勘九郎、中村萬太郎の素晴らしい演技も見ものであった。
「歌舞伎座捕物帳」は市川染五郎、市川猿之助の弥次喜多のコミカルな演技もさることながら、市川団子、松本金太郎の活躍、市川中車、中村児太郎が好演、子どもたちには素晴らしい贈り物となった。冒頭、昨年の舞台を映画形式でまとめた後、ドラマに入っていく形式をとり、関連付けを行った演出には弥次喜多道中の関連付けが窺われた。
国立劇場の歌舞伎教室で歌舞伎に親しんだ子どもたちには、3部制の納涼歌舞伎は本格的な歌舞伎入門としてうってつけである。弥次喜多道中の上演は一つの好企画だろう。一方で、本格的な歌舞伎の演目も忘れないでほしい。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:51)
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