読売日本交響楽団、第604回名曲シリーズはポーランドの巨匠ヤツェク・カスプシク、ヴァイオリンのギドン・クレーメル、チェロのギードレ・ディルヴァナウスカイテを迎え、ヴァインベルク、ポーランドのメロディ、Op.47-2、フィリップ・グラス、ヴァイオリンとチェロのための2重協奏曲、ムソルグスキー=ラヴェル「展覧会の絵」を取り上げた。(東京芸術劇場)
まず、ボーランドの作曲家ヴァインベルクの作品は、ポーランドの馨りが漂う中、ユダヤ系だったためロシアに亡命後、スターリン治世の下、弾圧を受けていた時期の苦しみが伝わった。グラスは日本初演で、クレーメル、ディルヴァナウスカイデの息の合った演奏、オーケストラとの対比が興味深かった。ラヴェル編曲による「展覧会の絵」は、原曲のピアノ曲として聴くと、かえってムソルグスキーの思いが伝わってくるだろう。オーケストラ版でも、ラヴェルの素晴らしいオーケストレーションの色彩感で華を添えている。それなりに聴かせる演奏だった。
カスプシクは2018年、ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団と共に来日、ショパン、ドヴォルジャークを取り上げるという。今回のコンサートを聴く限り、しっかりした実力の持ち主であることを示した。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:51)
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