サントリー芸術財団、サマー・フェスティバルは会場を小ホール、ブルーローズに移し、戦後日本のアジア主義として芥川也寸志、松村貞三の室内楽作品、ピアノ作品を取り上げた。(6日 サントリーホール 小ホール ブルーローズ)
泊真美子による芥川「ラ・ダンス」は、モダニズムの中にフランス的なエスプリを感じさせる作品で、音楽コンクールでも取り上げるべき、優れた作品である。松村「ギリシャに寄せる2つの子守歌」は、桐朋学園音楽教室「こどものための現代ピアノ曲集」の委嘱作品とはいえ、コンサート・プログラムになり得る作品である。こうした作品を取り上げるピアニストが出てほしい。松村「弦楽四重奏とピアノのための音楽」も往作である。
松村「肖像」はサントリー会長、佐治敬三氏へのオマージュで、堤剛と土田英介の素晴らしいデュオが絶品だった。「弦楽のための音楽 第1番」、「弦楽のためのプネウマ」の神秘性も聴きものであった。芥川「弦楽のための3章(トリプティーク)」はアメリカ、ロシアで演奏され、ロシアで楽譜出版も実現、芥川の国際的な評価を決定づけた。これもコンサートでどんどん取り上げてほしい。
4日、6日と会場を小ホール、ブルーローズに移し、武満と黛の雅楽、芥川と松村の室内楽作品、ピアノ作品を取り上げて来た。10日は大ホールで尾高尚忠、山田一雄、伊福部昭、諸井三郎のオーケストラ作品で締めくくりとなる。この種の試みをどんどん続けて、日本の作曲家の作品をどんどん紹介してほしい。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:51)
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