歌舞伎座10月公演、芸術祭、昼の部は日印友好交流年記念として、古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」に基づいた新作歌舞伎「マハーバーラタ戦記」初演であった。
まず、ヒンズーの4人の神々、奈羅延天、シヴァ神、梵天、大黒天が人間たちの争いを止め、平和な世を生み出せるかと議論する中、太陽神、帝釈天が現れる。そこで、奈羅延天が太陽神、帝釈天に汲手姫に子を産ませるように「マントラ」を送った。太陽神が産ませた子が迦楼奈、帝釈天が産ませた子が阿龍樹雷である。汲手姫はダルマ神との間に百合守良、風邪の神との間に風葦摩を産む。像の国の名君、バーンドゥ王の急死により、王位継承をめぐって語り合う。もう一人の王妃には双子の神アシュヴィンの間に納倉、沙羽出葉がいる。王位継承をめぐり、王の盲目の兄の子、鶴妖朶、道不奢早無が絡んでくる。
平和な世を願う迦楼奈を利用せんとする鶴妖朶、道不奢早無、戦士としての誇りに生きる阿龍樹雷、森鬼飛と恋に落ち、我斗風鬼写をもうける風葦摩。その他様々な人間模様が繰り広げられていく。そこには、「神の力」が働いている。
尾上菊之助、尾上松也をはじめ尾上菊五郎、市川左団次、中村鴈次郎を中心に中村梅枝、中村七之助、中村児太郎、市川団蔵、河原崎権十郎などが素晴らしい舞台、演技を見せた。青木豪の台本、宮城聡の演出がこの新作の原動力となって、成功に導いたと言えよう。再演を望みたい。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:51)
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