バッハのクリスマスものの作品ではクリスマス・オラトリオ、BWV248、カンタータもいくつかある。ただ、クリスマス・オラトリオはヘンデル「メサイア」HWV56ほどではないことが残念である。
マルティン・フレーミッヒがドレースデン十字架合唱団、ドレースデン・フィルハーモニーを指揮した演奏は旧東ドイツ時代の録音とはいえ、ドイツのクリスマスに相応しい、素朴さが聴きものである。
第1部から第3部はイエス・キリスト生誕を力強く、歓びに満ちた歌声、オーケストラで歌い上げていく。キリスト生誕を告げるシンフォニアの静けさに秘めた歓び、そこにはドイツのクリスマスの本質がある。ペーター・シュライヤー、テオ・アダムは無論のこと、アンネリース・ブルマイスター、アリーン・オジェーの心温まる歌唱が素晴らしい。ドイツのクリスマス風景が身近に迫って来る。
ドレースデン十字架合唱団も素晴らしい。シュライヤー、アダムがこの合唱団で育ったことは重要だろう。ライプツィッヒのトーマス教会合唱団でも育った歌い手たちにも、今日のオペラ、ドイツ・リート界で活躍する人材がいるだろう。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:51)
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