ペーター・レーゼルと共にドイツ・ピアノ界を代表する大御所、ゲルハルト・オピッツのシューマン、ブラームス連続演奏会、第3回はシューマン、クライスレリアーナ、Op.16、ソナタ第2番、Op.22(初稿版)、ブラームス、ソナタ第3番、Op.5であった。(15日 東京オペラシティ・コンサートホール)
クライスレリアーナでの見事な統一感、歌心、E.T.A.ホフマンが描いた楽長クライスラーとシューマンとが重なりあっていた。最後はクライスラー、シューマンの死を暗示したかのようであった。ソナタ第2番はプレスト・パッショナートをフィナーレとした初稿版による演奏で、この方がシューマンの意図に叶ったと言えよう。現行のフィナーレも素晴らしいまとまりのある作品とはいえ、クラーラの忠告によっている。こちらの方がかえって困難ではないだろうか。
ブラームスでの素晴らしい円熟味ある演奏が素晴らしい。第1楽章のスケールの大きさ、第2、第4楽章の詩情あふれる歌、第3楽章のコントラスト、第5楽章の見事なまとまり。どれをとっても絶品だった。
アンコールはブラームス、インテルメッツォ、Op.116-4。余韻たっぷりであった。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:51)
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