バッハ・コレギウム・ジャパン、2017年度定期演奏会シリーズは鈴木優人によるヨハネ受難曲、BWV245、エヴァンゲリストにハンス・イェルク・マンメル、イエスは加耒徹、ソプラノは松井亜希、カウンター・テナーはロビン・ブレイズ、テノールはザッカリー・ワイルダー、バスはドミニク・ヴェルナーであった。(東京オペラシティ・コンサートホール)
2017年11月、「ポッペアの戴冠」で音楽家としての名を確立した鈴木優人が「ヨハネ受難曲」に挑み、父鈴木雅明と肩を並べる、素晴らしい名演を聴かせた。もっとも、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでも「マタイ受難曲」を演奏、こちらも同様の成果を上げた。自立した、一人前の音楽家としての歩みを進めている姿は、バロックから現代に至る幅広い音楽活動からもうかがえる。テレビ朝日「題名のない音楽会」への出演もその一つだろう。
マンメルのエヴァンゲリストは朗々とした中に、歌心も併せ持っていた。イエスを歌った加耒も堂々とした歌いぶりが素晴らしい。松井、ワイルダーの清澄な歌唱、ヴェルナーの真のある歌唱が全体を彩り、キリスト受難の物語のリアリティを伝えていた。
2018年度の定期演奏会シリーズでは、モーツァルト「レクイエム」を中心としたプログラムを取り上げる予定である。
今後の活躍ぶりも注目したい。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:50)
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