日本を代表する歌手の一人で、バイロイト音楽祭でも歌うメゾ・ソプラノ、藤村美穂子によるリーダー・アーベントはシューベルト、ブラームスの作品各5曲、ヴァーグナー「マティルデ・ヴェーゼンドンクの5つの詩」、マーラー「フリードリッヒ・リュッケルトの詩による5つの詩」によるプログラム。ピアノはヴォルフラム・リーガー。
ヴァーグナー、マーラーの5つの詩による歌曲集を取り上げることから、シューベルト、ブラームスも5曲ずつ配置するプログラム構成は素晴らしい。考え抜かれたプログラムといえよう。
シューベルト、ブラームスでの多彩な作品の性格付けもさることながら、ヴァーグナーでは「トリスタンとイゾルデ」と同時期の作品を素晴らしい統一性、性格付けで際立たせた。マーラーにも言える。ことに、ヴァーグナーでは「トリスタン」の響きを聴き取ることができた。
アンコールはマーラー「曙光」、リヒャルト・シュトラウス「あした」。素晴らしい一夜の締めくくりに相応しい。久々にドイツ・リートを聴いた。そう感じた。(2月28日 紀尾井ホール)
コメントをお書きください
admin (木曜日, 21 4月 2022 05:50)
1