歌舞伎座3月公演、夜の部は「坂東玉三郎の世界」というべき、魅力あふれる素晴らしい舞台であった。「於染久松色読販」、「神田祭」、最後は自ら演出した「滝の白糸」の3本であった。
「於染久松色読販」は悪女の妖気漂う演技で見せる。片岡仁左衛門演ずる夫喜兵衛も見事。坂東彦三郎、中村錦之助がそれ以上に見事な立ち回りを見せた。「神田祭」は玉三郎、仁左衛門の世界だろう。
演出に回った「滝の白糸」は、中村壱太郎、尾上松也を中心に坂東彦三郎、中村吉之丞、坂東秀調、中村米吉、中村歌女之丞、中村歌六などが見事なドラマを作り上げた。裁判所の場面での尾上松也の迫真の演技が心に残った。若手育成にいそしむ玉三郎の姿を垣間見た。
全体としてはバランスの取れた演目配分だった。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:50)
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