バッハ・コレギウム・ジャパン、第130回定期演奏会は、久々にバッハ、クリスマス・オラトリオ、BWV248によるコンサートとなった。11月25日、キリスト教歴ではクリスマスに向けての待降節となる。そうした時期に相応しいものとなった。
ソリストはハナ・ブラシコヴァ(S)、クリント・ファン・リンデ(CT)、ザッカリー・ワイルダー(T)、クリスティアン・イムラー(B)を迎えた。ワイルダーは歌舞伎座7月公演、夜の部に出演して、話題となった。
鈴木雅明が全体をしっかりまとめ、円熟の味わいに満ちた演奏を繰り広げた。第1部冒頭のティンパニの響きから、キリスト降誕から3博士来訪にわたるクリスマス物語の世界が広がった。降誕の喜びの中に受難ヘの予言を秘めていることも忘れてはならない。
ワイルダーのエヴァンゲリストも聴き応え十分、アリアも素晴らしい。イムラーの堂々たる歌いぶり、リンデのしっとりした深みのある歌唱も印象に残る。ブラシコヴァの端正な歌いぶりも捨て難い。若松夏美、高田あずみのヴァイオリンが彩を添えている。三宮正満のオーボエ・ダモーレも味わい深い。
器楽奏者たちも優れた人材揃いで、ソロなどでも活躍している。声楽陣では二期会会員が在籍、オペラ界で活躍する人材も輩出している。日本を代表する古楽演奏団体でありながら、優れた音楽家が活躍していることを思うと、貴重な存在だろう。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:50)
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