ペーター・レーゼルと共にドイツ・ピアノ界を代表する大御所、ゲルハルト・オピッツのシューマン、ブラームス連続演奏会、第4回はシューマンがパピヨン、Op.2、カーナヴァル、Op.9、ブラームスがシューマンの主題による変奏曲、Op.9、ソナタ第2番、Op.2であった。(14日 東京オペラシティ コンサートホール)
シューマンではパピヨンでの若きシューマンのユーモア、ロマンが溢れ出ていた。カーナヴァルはスケールの大きな演奏で、ロマン溢れる名演。エルネスティーネ・フォン・フリッケンとの恋愛、クラーラへの愛の芽生え、ロマン主義の旗手としてのシューマンの姿を描きだしていた。
ブラームスでは、シューマンの主題による変奏曲はシューマンへのオマージュとしての性格を浮き彫りにした演奏であった。ソナタ第2番では、ラプソディックながらも構成感を大切にまとめた第1楽章、第2楽章の深い歌心、第3楽章スケルツォ主部の不気味さ、トリオのロマン性の対比が聴きもの。第4楽章のロマン性溢れる演奏は絶品だった。
アンコールはブラームス、インテルメッツォ、Op.116-4。心に染み入る演奏で、余韻を楽しみながらと言ったところに拍手は失礼である。これはいただけなかった。
最近、オピッツが軽く見られるようになったことは残念である。21世紀のドイツ・ピアノ界ではレーゼルと並ぶ大御所がこのような扱いを受けていることはいただけない。さて、次はどんなシリーズになるだろう。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:50)
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