調布国際音楽祭、フィナーレは鈴木雅明率いるバッハ・コレギウム・ジャパンによるヴィヴァルディ・バッハ・ヘンデルの協奏曲、バッハ、管弦楽組曲第4番(初稿版)で締めくくりとなった。(6月30日 調布グリーンホール)
ヴィヴァルディ「調和の幻想」、RV565、「四季」より夏、RV315を聴きながらバロックの協奏曲が独奏楽器群とオーケストラによるものから独奏楽器による協奏曲へと至る進化を感じ取った。ヘンデル、合奏協奏曲、HWV324、オルガン協奏曲、HWV293、バッハ、ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲、BWV1060にも同様である。ヘンデルのオルガン協奏曲はオペラ、オラトリオの幕間に演奏されたとはいえ、芸術性もある。ヴィヴァルディは慈善院(オスペターレ)の女性たちによるオーケストラのために作曲され、バロック協奏曲の頂点ともいえよう。
寺神戸亮、懸田貴嗣、三宮正満といったバッハ・コレギウム・ジャパンの名手たちのソロは素晴らしい。締めくくりにバッハ、管弦楽組曲第4番の初稿版としたプログラム構成も心憎い。
ただ、プログラムにはコンサートごとの曲目解説などがあった方がよいようにも感じた。来場した聴衆の中にはどのような作品かわかりにくかった面もある。プログラムは記念品のため、一工夫欲しい。来年への課題として取り組んでほしい。
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