1991年、ロンドン生まれの若手ピアニスト、アレクサンダー・ウルマンによるシューマン、パピヨン、Op.2。
イントロダクションを聴くと、幻想豊かなシューマンの音楽の世界が広がっていく。
これはジャン・パウル「生意気盛り」に基づくとされる。カーナヴァルの仮面舞踏会。双子の兄弟ヴァルト、ヴルトがヴィーナという娘に恋をし、ヴァルトがヴィーナを見事に射止め、舞踏会も終わりを告げる。第12曲を聴くと、舞踏会のフィナーレというよりも夜明けと共に全てが終わる。
ウルマンの演奏には小説の登場人物の性格描写はさることながら、物語に捉われず、音楽中心足ることを心がけている。それでも、ジャン・パウル「生意気盛り」は必読である。音色も豊かで、シューマンの音楽の本質、ファンタジーが伝わってくる。
2017年、ロンドン、ウィグモア・ホールのリサイタルのライヴ。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:49)
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