ヴィルヘルム・ケンプ、ヘンリック・シェリング、ピエール・フルニエによるベートーヴェン、ピアノ3重奏曲、第2番。若きベートーヴェンの野心溢れる作品である。
第1楽章の序奏のたっぷりした歌。主部の闊達さ、若さ。いささか古典的かもしれない。展開部ではチェロも独立した部分を担っている。それでも、ベートーヴェンの個性が顔をのぞかせる。第2楽章はホ長調、3度関係となっている。ここにも、ベートーヴェンの個性が際立っている。たっぷりとじっくり歌い上げている。円熟の音楽家ならではの味わいに満ちている。第3楽章はスケルツォ。歌心たっぷりの主部、抒情性豊かである。第4楽章は闊達さ、若さが溢れる。チェロのオスティナートが聴きもの。こうした手法が見られるようになったことは大きいだろう。チェロの独立性が増しつつあるとはいえ、これからの作品ではどう発展するか。Op.70以降だろう。
3人の円熟した音楽家が繰り広げるベートーヴェンの世界を堪能できる名演だろう。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:49)
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