バッハ・コレギウム・ジャパン、第138回定期演奏会は、晩年の大作、ロ短調ミサ、BWv232、指揮は鈴木優人、ソプラノ澤江衣里、松井亜希、アルト布施奈緒子、テノール西村悟、バス加耒徹であった。(20日 東京オペラシティ コンサートホール)
第1部、キリエの激しい訴求力に始まり、第2部、グローリアで神の栄光を力強く歌う。第3部、クレードではイエスの誕生、受難、復活への道筋を歌い上げる。特に、クルツィフィヌス(十字架に付けられ)から復活への過程が絶品だった。第4部、サンクトゥス、第5部、アーニュス・デイも素晴らしい。
ソリストたちも鈴木優人の指揮に応え、素晴らしい歌唱を聴かせた。男声陣、西村悟、加耒徹が傑出していた。女声陣も澤江衣里、松井亜希、布施奈緒子の歌唱が光る。鈴木優人がこれだけの大作を素晴らしい手腕でまとめ、感動的な演奏に仕上げたことは大きい。最近の活躍ぶりを十分に裏付けるものとなった。
10月6日の読売日本交響楽団とのメシアン、11月3日のヘンデル「リナルド」が楽しみである。
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伊藤浩瑞 (月曜日, 21 9月 2020 23:07)
「ロ短調ミサ」は、冒頭の"kyrie" でまず度胆を抜かれます。2時間超の曲だったと思いますが、今晩演奏会が有ったとは、垂涎の思いが致します。