第47回サントリー音楽賞を受賞した読売日本交響楽団が、記念コンサートとして20世紀フランスを代表する作曲家、オリヴィエ・メシアン(1908-92)「峡谷から星へ」を取り上げた。(6日 サントリーホール)
当初、フランスの巨匠、シルヴァン・カンブルランが指揮を執ることになっていた。新型コロナウィルスによる入国制限のため、クリエイティブ・パートナー、鈴木優人が指揮、ピアノ、小管優となった。鈴木優人の活躍ぶりにも注目すべきコンサートとなった。
ローマ・カトリックの信仰に立つメシアンは、「世の終りの四重奏曲」「アーメンの幻影」などを残している。第2次世界大戦後、セリエリズム、鳥の鳴き声に注目すべき作品なども残した。メシアンの歩みは、20世紀を総観したともいえよう。鳥たちの声にいざなわれたメシアンは、アメリカ、ユタ州、ブライスキャニオンを旅行、大自然の息吹に触れる。また、アフリカ、日本の鳥も出て来る。メシアンの自然賛歌といえようか。
小菅優のピアノが素晴らしい。メシアンの音楽の全てを余すところなく表現した。ホルンの日橋辰朗、シロリンバの西久保友広、グロッケンシュピールの野本洋介も好演だった。
鈴木優人がトゥランガリラ交響曲に取り組み、名演を聴かせている。小管も共演している。この組み合わせでメシアンが聴けたことは大きい。音楽家として大きな飛躍ぶりを発揮、素晴らしい成長を遂げてきた。
11月3日、ヘンデル「リナルド」も楽しみである。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:49)
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