調布国際音楽祭もクライマックスに入って来た。鈴木雅明、フェスティバルオーケストラによるコンサートは、モーツアルト、オペラ「ドン・ジョヴァンニ」序曲、K.527、バッハ、ブランデンブルク協奏曲、第3番、BWV1048、ドヴォルジャーク、交響曲第9番、Op.95「新世界より」を取り上げた。(調布グリーンホール)
モーツァルト。オペラの性格描写が見事、堂々たる演奏であった。バッハはバロック音楽の編成になり、チェンバロも入った。第2楽章はバッハ、3つのチェンバロのための協奏曲からの編曲で、味わい深い演奏。第1、第3楽章も見事なまとまりを見せていた。
ドヴォルジャーク。ベーレンライター社の新原典版による演奏とはいえ、アメリカのドヴォルジャークの姿、チェコへの思いが切実に伝わって来た。第1楽章第1主題が全体の要として登場する。また、第2楽章の主題も登場して、全体の統一感を高めている。第4楽章は、全ての楽章の動機が姿を現し、全体の締めくくりとしている手法は、シューマンの影響ではないかと思わせた。
鈴木雅明は、若い音楽家たちに古今の名曲を演奏するチャンスを与え、育成にも励んている。それが、次世代のオーケストラへの人材育成にも繋がっている上、鈴木の音楽活動にもプラスになっているとも言えよう。早く、新型コロナウィルスが収まることを祈りたい。
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