サントリー音楽財団、サマーフェスティバル、最終日は第31回、芥川也寸志作曲賞、選考演奏会となった。(28日)今回は、杉山洋一「自画像」、原島拓也「寄木ファッション」、桑原ゆう「タイム・アビス」の3曲となった。
2019年に受賞した稲盛安太巳「ヒュポムネーマタ」が演奏された。ピアノとオーケストラのための作品で、オーケストラ部分が長すぎたきらいがある。それでも、充実した作品だった。椎野伸一のピアノが素晴らしい。
杉山の作品は、昨年、鈴木優人が初演している。今回は完全なオーケストラ版で、20世紀から21世紀の今日までの戦争・紛争を描き出したメッセージ性を評価する。私たちの歴史を辿ると、戦争・紛争は付きまとう。今日まで続く中東戦争、アラブ諸国の内戦といったイスラム世界のものが中心だろう。また、ベトナム戦争、学生運動などもその一つだろう。それらに向き合う姿勢を音楽で表現したことに意義があった。
原島の作品は、琵琶とオーケストラのための作品。原島自身、琵琶を演奏しても、作品からメッセージ性が聴こえてこなかった。何のためかと首をかしげてしまった。
桑原の作品は、17人の奏者を2つの群に分けた室内楽。時間の観念を音楽として表現した作品で、聴いた後、自然と体が熱さを感じた。
受賞したものは桑原作品。聴衆の投票でも半数以上が評価していた。和服をリメイクしたドレス姿は印象に残った。2022年、どんな作品・作曲家が出て来るだろうか。
コメントをお書きください
admin (木曜日, 21 4月 2022 05:46)
1
admin (木曜日, 21 4月 2022 05:48)
1