カール・ベーム モーツァルト フィガロの結婚 K.492 その4

 カール・ベーム、モーツァルト、フィガロの結婚、第4幕。まず、バルバリーナがスザンナが伯爵に渡した偽手紙のピンを探している。「見つからない」、フォーゲルが見事に聴かせる。伯爵夫人、スザンナの計略も知らないフィガロは、スザンナに裏切られたとカンカン、マルツェリーナがなだめる。ジョンソンが、「山羊はむつまじい」で見事な歌を聴かせる。ベームがオーケストラをしっかりまとめる。

 あずまや。バルバリーナがお菓子・果物を抱えてくる。それを見たフィガロは怒りが収まらない。バルドロ、ドン・バジーリオがなだめる。ドン・バジーリオが、「若き時は」でフィガロを説得する。ヴォールファールトの歌唱も聴きごたえ十分である。策略も知らないフィガロは「しっかりと見よ」で怒りを爆発、プライが見事に聴かせていく。登場人物たちの性格付けも見事なモーツァルトの音楽がベームのもとで息づいている。

 そこへ、伯爵夫人に扮したスザンナ、スザンナに扮した伯爵夫人がマルツェリーナと共に現れる。スザンナがフィガロを待ちわびつつ、「早く、ここへ」と歌う。マティスがしみじみと聴かせる。ケルビーノが現れ、伯爵夫人が追い払う。

伯爵がご満悦な様子で現れる。スザンナに扮した伯爵夫人とは知らず、伯爵は得意げ。フィッシヤー=ディスカウ、ヤノヴィッツが素晴らしい。伯爵夫人に扮したスザンナを相手にふざけるフィガロ、プライとマティスも素晴らしい。スザンナが平手打ちを食わせると、フィガロもロマンスを見せる。

 そこへ伯爵がやって来て、伯爵夫人に扮したスザンナを見つけて、妻の裏切りを見たぞと大騒ぎ。スザンナに扮した伯爵夫人が許しを請う。この場面は聴かせどころである。フィッシャー=ディスカウ、ヤノヴィッツが味わい深い。一同がフィガロとスザンナ、バルドロとマルツェリーナの結婚披露宴へ行こうと喜びいっぱいの中にオペラを結んでいく。

 ベームのフィガロの結婚は、晩年、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ジャン・ピエール・ポネル演出による映画版もある。プライ、フィッシャー=ディスカウを中心としたキャスティングで、これも素晴らしい。とはいえ、ベーム全盛期の名演であり、フィガロの結婚の名盤として、今後も長く聴かれるだろう。

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コメント: 2
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    admin (木曜日, 21 4月 2022 05:47)

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  • #2

    admin (木曜日, 21 4月 2022 05:48)

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