ヴィルヘルム・バックハウス、ベートーヴェン、ピアノ協奏曲、第2番、Op.19。ハンス・シュミット・イッセルシュテットが素晴らしい指揮で支えている。イッセルシュテットには北ドイツ交響楽団を指揮したブラームス、交響曲全集をはじめ、ヴィーン・フィルハーモニー管弦楽団とのベートーヴェン、交響曲全集もある。ベートーヴェンの場合、バックハウスとの共演がきっかけだろう。
第1楽章。オーケストラからピアノへと移ると、バックハウスが見事なピアノを聴かせる。イッセルシュテットも負けていない。この作品が事実上、ベートーヴェンのピアノ協奏曲、第1番だろう。しかし、出版上の理由で第2番となった。
モーツァルトを思わせるようであっても、ベートーヴェンが滲み出ている。カデンツァはベートーヴェン自作で、重厚なつくりになっている。
第2楽章。オーケストラのたっぷりした響き、ピアノの歌心が調和して、素晴らしい世界を生み出している。中間部のオーケストラの歌にピアノが彩を添えている。ピアノとオーケストラとの対等な立場が確立、第3番に引き継がれ、深い表現となっている。
第3楽章。ロンド、バックハウスのピアノが見事で、ユーモアにも欠けていない。イッセルシュテットもこれに応え、全体をしっかりまとめている。ピアノの音色も絶品である。ベーゼンドルファーの響きだろう。バックハウスはベーゼンドルファーを好んでいた。また、ベッヒシュタインも用いている。ライプツィッヒ出身とはいえ、ブリュートナーはどうだっただろう。知りたいところである。
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:46)
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admin (木曜日, 21 4月 2022 05:47)
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