テレビ朝日 題名のない音楽会 楽器は役者!熱くドラマチックなオーケストラの音楽会 後編

 テレビ朝日、題名のない音楽会、後編。水谷豊、檀れいをゲストに迎え、「太陽とボレロ」にちなみ、小林研一郎、東京フィルハーモニー交響楽団を迎えての企画。

 ラヴェル「ボレロ」、管弦楽曲の名曲。バレエ音楽として作曲されたとはいえ、1つの旋律が楽器を変え、音楽として流れていく。酒場で踊り子がボレロを踊る。客たちも1人1人と踊りに加わり、最後には全員が踊りに加わり、高揚感の中に締めくくりとなる。

 ラヴェルが楽器を変えつつ、延々と音楽を進める手法には、「オーケストラの魔術師」としての面目躍如がある。それが、音楽としての高揚感を高める。ムソルグスキー「展覧会の絵」オーケストラ版での素晴らしいオーケストレーションからも窺える。

 小林研一郎が見事に東京フィルハーモニー交響楽団をまとめ、素晴らしい音楽に仕上げている。今回はこの1曲だけでも30分の枠では精一杯だろう。

 1964年、黛敏郎が東京交響楽団と共に、東京12チャンネル(現・テレビ東京)で始め、現在はテレビ朝日(当時はNETテレビ、1977年に現社名に変更)、黛亡き後は羽田健一郎、佐渡豊、石丸幹二に受け継がれている。この番組が今後も長く続くことを祈りたい。