レイフ・オヴェ・アンスネス モーツァルト ピアノ協奏曲 第20番 K.466

 レイフ・オヴェ・アンスネスがマーラー・チェンバー・オーケストラとの弾き振りで、モーツァルト ピアノ協奏曲 第20番 K.466を聴く。

 オーケストラとの相性も良く、統率力も見事である。ピアノに入っても、オーケストラへの目配りも忘れていない。第1楽章の緊迫感が素晴らしく、歌心も十分。モーツァルトの透明感がある。モーツァルトが初演の際、通奏低音を引きながらオーケストラに支持を与えていた。フォルテピアノの場合、通奏低音を演奏しながら独奏部を演奏することが通例となる。カデンツァは自作だろうか。見事である。第2楽章の歌心に満ちた演奏は見事である。オーケストラもしっかりまとめ上げている。中間部のオーケストラとの掛け合いでは、ピアノ・オーケストラが調和して、一つの音楽を作り上げている。暖かみも十分伝わる。第3楽章の激しさ、歌が一体化して大きな世界が広がる。カデンツァも自作だろうか。ニ長調に転調、明るく、かつ力強く締めくくる。

 見事な弾き振りだった。