レイフ・オヴェ・アンスネス、モーツァルト ピアノ協奏曲 第22番 K.482。マーラー・チェンバー・オーケストラとの弾き振り、指揮者としての統率力も優れている。ヴラディーミル・アシュケナージ、クリストフ・エッシェンバッハのように指揮者に転向する例が見られる。また、クリスティアン・ツィメルマンのように、ショパンのピアノ協奏曲への新たなアプローチを目指すための弾き振りもあった。しかし、指揮者転向には批判もある。
第1楽章。オーケストラの重厚、かつ力強い表現、明晰で歌心たっぷりのピアノは素晴らしい。カデンツァでは闊達、歌も忘れていない。第2楽章。ほの暗い歌が響く。たっぷり、抒情性豊かに歌う。歌心溢れるピアノが見事である。オーケストラ、ピアノが一体化している。第3楽章。ロンドは、ピアノが軽やかに入っていく。明晰さを失わず、オーケストラと一体化している。統率力も素晴らしい。中間部のメヌエットは抒情性たっぷりに歌い上げている。ロンド主部に戻り、音楽を盛り上げる旨さ、カデンツァ、コーダも見事だった。
アンスネスのモーツァルト、ピアノ協奏曲の弾き振りは大成功だった。次を楽しみにしたい。
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