アンドラーシュ・シフ、モーツァルト ピアノ協奏曲 第22番 K.482。2015年、ザルツブルク、モーツァルト週間でのカペラ・アンドレア・バルカとの弾き振り。こちらもオーケストラの統率力が優れている。レイフ・オヴェ・アンスネスの弾き振り同様、オーケストラとピアノが一体化している。
第1楽章、オーケストラのどっしりした響き、明晰でよく響くピアノ。シフとオーケストラが一体化して、モーツァルトの音楽を作り上げている。歌心たっぷりの演奏。あたかもシフが楽しんでいるかのようである。オーケストラもまとまっている。カデンツァもこれ見よがしではなく、音楽として聴かせている。第2楽章。オーケストラがじっくり、暗い旋律を歌い上げる。ピアノもじっくり、豊かな歌心で弾き進んでいく。ピアノとオーケストラが共に歌う。第3楽章。シフは楽しみつつ、ピアノを弾き進めながら、オーケストラもまとめ上げていく。ピアノ、オーケストラが一体化して、モーツァルトの世界を堪能させる。中間部のメヌエットは歌心たっぷりである。カデンツァでは、最晩年の歌曲「春への憧れ」が入っていた。円熟した味わいに満ちている。
モーツァルトが自作自演する場合、通奏低音を弾きながら指示を与えていた。ピアノ独奏部を見ると、オーケストラのチェロ・コントラバスパートが書かれている。現代のピアノの場合、演奏することはほとんどない。演奏する場合もあるため、注意して聴くべきかもしれない。
円熟した、味わい深いモーツァルトの名演の一つだろう。
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呉 信樹 (水曜日, 15 2月 2023 17:46)
シフの弾き振り好きです❗
ベートーヴェンの"皇帝"も弾き振りしましたね����‼️
畑山千恵子 (水曜日, 15 2月 2023 17:56)
そうでしたか。