ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者たちが集まった弦楽四重奏団、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団は1808年に結成、2008年には200周年を迎えた。現在のメンバーはフランク・ミヒャエル・エルベン、コンラート・ズスケ、フォルカー・メッツ、ユルンヤコブ・ティムである。モーツァルトでは、コントラバスのシュテファン・アデルマンが加わった演奏となっている。
第1楽章からモーツァルトの世界が広がっていく。透明な音の世界。闊達さが光る。第2楽章の素晴らしい歌心。第3楽章の典雅さと歌。第4楽章の見事なまとまりと歌に満ちた世界。弦楽合奏では得られない響きが全体を満たしている。
1789年、モーツァルトがライプツィッヒにやって来て、ゲヴァントハウスでコンサートを開いたものの、入りは良くなかった。オペラハウスでは、「フィガロの結婚」をドイツ語で上演していた。モーツァルトがこれを知って、オペラを指揮していたとすれば、センセーショナルな話題を巻き起こしただろう。他方、聖トーマス教会カントール、ヨハン・フリードリッヒ・ドーレスを訪ね、オルガンを演奏した際、バッハの再来と称賛された。モテットを聴き、感銘を受けた。ライプツィッヒでは、小さなジーグ K.574を作曲、バッハの名も織り込んだ。この後、ベルリンへ向かい、フリードリッヒ・ヴィルヘルム2世に謁見、弦楽四重奏曲、ピアノソナタの作曲依頼を受けることとなった。
モーツァルトがドレースデン、ライプツィッヒ、ベルリンへ旅行したものの、経済的な成果も殆ど得られなかったとはいえ、バッハとの出会いは貴重なものだっただろう。
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山崎とみ (水曜日, 07 2月 2024 10:18)
とても、良かったです。
畑山千恵子 (水曜日, 07 2月 2024 15:06)
ありがとうございます。
山崎とみ (日曜日, 11 2月 2024 08:58)
ユールンヤコブ・ティム氏のトーマス・ティムは、石川県立音楽堂の楽屋出口のバスの中から顔を出して、弓を動かすポーズをして、可愛いのでファンになりました。新潟県新潟市のサミットコンサートにも、行きました。トーマス・ティムのピアノ伴奏者の品田正彦、遠藤利彦氏と、知りあいに。なりました。それから、又、遠藤利彦さんの知り合いの小出マチコさんと知りあいになりました。彼女の兄は、NHK交響楽団のフルート奏者で、ユールンヤコブ・ティムと、一緒に、東ドイツ時代からの友人で、一緒に、演奏していたと、言います。それから、長野県伊奈文化会館に行く時、電車の中でも、バターンとトーマス・ティムに会いました。同じ、4人かけのボックスに誘ってくれました。その時の写真を東京都中央区銀座の王子ホールで、浜野さん伴奏のユールンヤコブ・ティムのリサイタルの後、トーマス・ティムの写真をあげましたら、大喜びしていました。
畑山千恵子 (日曜日, 11 2月 2024 17:27)
貴重なお話をありがとうございました。