ベルリンフィルハーモニー八重奏団によるブラームス 弦楽六重奏曲 第2番 Op.36。1968年の録音。今でも素晴らしい生命力を保っている。
第1楽章。ここでは、アガーテ・フォン・シーボルトとの恋愛を振り返っている。アガーテ・モティーフが聴こえる。楽しい思い出を振り返りつつも、苦い思い出が滲み出ている。第2楽章。スケルツォには楽しい思い出、苦い思い出が交互に現れる。ブラームスには、クラーラ・シューマンの陰から逃れられない何かがある。第3楽章。迷うようかの主部。中間部はブラームスの苦悩が口を開けているような気がする。主部に戻り、迷うようかの思いが静かに終わっていく。第4楽章。ヴィーンに移ったブラームスの新たな決意が聴こえるようである。
1862年、ブラームスはベルタ・ファーバー、ルイーゼ・ドゥストマンの勧めでヴィーンへ移住する。エドゥアルト・ハンスリック、テーオドール・ビルロードなどと出会う。ヴァーグナー、ドヴォルジャーク、ブルックナーとの出会いもヴィーンである。故郷ハンブルクでは、ハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者の地位を得られなかったこともあるだろう。
ヴァーグナーとブラームスについては、新たな発見がかなりある。単なる党派抗争より、2人の音楽に中には、新たな視点に立った研究が出て来た。ブルックナーとブラームスについても、新たな発見があるだろう。今後、どのような動きが出て来るかが楽しみである。
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