鈴木優人 バッハ 幻想曲 BWV906

 新世代の音楽家として多彩な活躍を続ける鈴木優人、原点は古楽にあることを示すバッハ 幻想曲とフーガ BWV906を聴く。

 幻想曲は、古典主義のソナタ形式を暗示している。フーガは未完のままという。謎に満ちた主題から展開される。半音階的進行による。未完のまま、終わっている。バッハはどう続けたかったか。仮に、フーガを補完した演奏が出てきたらどうなるか。鈴木優人がこの作品を補完して演奏したら、どのように締めくくるかも興味深くなった。

 教会カンタータの補完版もあるので、この点に注目したい。父、鈴木雅明を越える存在へと成長し、さらに進化した優人の姿は今後、注目を集め続けるだろう。