アンナ・ハンドラー シューベルト 交響曲 第7番 D.759「未完成」

 ドイツの女性指揮者、アンナ・ハンドラーがフランクフルト放送交響楽団を指揮した、シューベルト 交響曲 第7番 D.759「未完成」 ドイツでも女性指揮者が誕生して、素晴らしい音楽を産み出している。日本でも、沖澤のどかが京都市交響楽団、音楽監督に就任、注目すべき存在となっている。

 第1楽章の暗く、不気味な序奏、第1主題の深い歌。第2主題のしっとりと美しい歌心。展開部もシューベルトの歌心を大切にしつつ、スケールの大きな演奏を繰り広げていく。再現部、コーダのしっかりした纏まり。見事である。

 第2楽章の美しくも悲しい歌。合いの手の入れ方も素晴らしい。じっくりと歌い上げ、オーケストラもしっかり纏めている。見事な演奏だった。

 シューベルトは、この作品の第3楽章も書き出したものの、スコアが8小節のみで終わった。スケッチが残っても、最後まで書き切れなかった。あまりにも長大な作品になることを恐れたかもしれない。完成していれば、どうだったか。興味は尽きない。